鉱山ブログ

陶磁器の里、有田・波佐見に土橋セリサイトをご提案【その1】
2018年5月19日 | カテゴリー: 鉱山記事

写真は佐賀県有田町の陶山神社にある有田焼でできた鳥居。背後は有田の街です。本日は、歴史ある陶磁器の里、有田・波佐見についてです。

 

弊社で採掘している原料は、主に陶磁器や食器、便器などの衛生陶器にご利用いただいてます。陶磁器の生地に必要となる可塑性や、窯で焼いた際の色の白さなどに定評があり、すでに50年近くご利用いただいてます。

 

さて、日本で一番大きな陶磁器の産地といえば、愛知県から岐阜県にかけての瀬戸・東濃地域です。弊社の原料は、主に瀬戸・東濃地域の陶磁器原料を扱う商社さんや粘土屋さんに出荷しています。

 

粘土屋さんの工場では、地元のとれる木節(きぶし)粘土や蛙目(がえろめ)粘土などと共に、弊社のセリサイトを含んだ陶石をブレンドして粉砕・加工することで、洋食器やお茶碗などの原料「坏土(はいど)」を作っています。

 

一方、日本における陶磁器発祥の地といえば、九州の西に位置する、有田、波佐見、三川内、伊万里など、いわゆる肥前と呼ばれる地域です。

 

佐賀県の有田町はここです。

 

長崎県の波佐見町は有田町のすぐ南側です。

佐賀県の伊万里市、長崎県佐世保市の三川内もみんなこの辺りです。

 

豊臣秀吉によって朝鮮半島から連れてこられた陶工たちが、有田の地で陶磁器づくりに最適な石(陶石)を発見し、陶磁器を焼く窯を築いたのが、肥前における陶磁器づくりの始まりです。以後400年に渡り、陶磁器の一大産地として世界にも名が知られる存在となっています。

 

肥前の焼き物において中心となるのが佐賀県の有田町で、多くの陶窯や陶磁器会社が操業しています。レトロな街並みも相まって、肥前観光における中心的な役割を果たしています。

 

有田の街の様子。レトロな雰囲気が漂います。

 

有田焼の窯元、深川製磁の建物。アールデコな建物が時代を感じさせます。

 

高級陶磁器で有名な香蘭社の本社とショールームもあります。

 

有田町の南側にあって峠をひとつ越えたら、長崎県の波佐見町です。波佐見も数多くの陶磁器会社があり、全国のデパートにも卸している著名ブランドがあります。棚田や温泉もあって、こちらも多くの観光客が訪れます。

 

波佐見町の中尾郷。たくさんの窯元がひしめき合ってます。写真中央に、昔の巨大な登り窯の跡が見えてます。

 

窯元や著名な陶磁器会社がたくさんある肥前地域ですが、弊社の原料は、実はまったくご利用いただいてません。肥前のほうでは、弊社の存在はほとんど知られていないんですよ。というのも、そのそも肥前は同じ九州の熊本県・天草地方から陶磁器原料を入れているからです。

 

そんなわけで、次回は有田・波佐見の陶磁器原料についてと、今、肥前において弊社が取り組んでいる案件について書いていきます。