弊社の敷地も雪に覆われています。

 

本日、西日本は大寒波に見舞われて、道路は大混乱となっています。
会社のほうは、半分以上の従業員が出勤できず、ほとんどお休み状態です。
周りの会社では完全に休業にされているところもあります。

朝早くから、国道250号線(旧国道2号線)は岡山市東区の赤穂線の跨線橋付近から混み始めて、どうやら兵庫県の上郡まで渋滞していたようです。私は岡山市内に住んでいるのですが、いつもの通勤路が使えず、あちこち大回りして、なんとか11時に会社に入りました。

 

雪まみれの坑内巡視車。ここまで積もったの見るのは初めてかも。

 

姫路方面に向かう国道2号線は大渋滞

 

国道も大渋滞で大変です。先ほどニュースで、この峠の下にある備前ICで2600台が立ち往生しているとのこと。トイレも何もないところだから大変ですよ。

 

岡山県の国道事務所によると、午前11時から弊社のある伊里中〜三石区間で通行止めをやっているとのことです。どうりで、さっきから車の通りがなくなったわけだ。

 

岡山県の県南は温暖で雨の少ない地域ですが、ひとたび雪が降ったら大混乱になってしまいます。
ともあれ、明日は普通に業務ができるように、今日のうちに面倒ごとを片付けておこうと思います。

弊社のある岡山県備前市には、岡山県の公的研究機関である「岡山セラミックスセンター」があります。場所は、かつては柵原鉱山から下ってきた片上鉄道の終着駅だった片上港です。

 

同センターは、特殊な測定機器を使った分析の受託をやったり、講習会などを開いたりするなど、地元セラミックス業界の知識や技術が集約された場所ともいえるところです。

 

普段は、地元の耐火煉瓦会社や粉砕会社、その他専門の人たちが利用する施設で、一般の人には縁遠い場所ではあるのですが、この度、センターの広いロビーを使って、耐火物に関する展示コーナーを新設しました。

 

展示コーナーには、大型のパネル展示だけでなく、耐火物に使用する原料や実際の耐火物製品なども展示されています。なかなかマニアックな内容ですが、一般の人でも自由に見学が可能です。

 

先月6日の山陽新聞(東備版)にも紹介されました。

 

弊社の土橋蝋石(パイロフィライト)や珪石(シリカ)も展示されています。
パイロフィライトは、備前の耐火煉瓦の主原料として、明治時代から使われてきました。残念ながら、今では韓国のパイロフィライトが主に使われています。弊社のパイロフィライトは、主に蝋石クレーや釉薬、坩堝などに使われていて、耐火煉瓦にはほとんど使われていません。

 

一方、シリカは地元の耐火物メーカーで連続鋳造パウダーの原料として利用されています。耐火物としては、弊社の場合、今はこちらがメインですね。SiO2が99%と比較的高い純度があり、粉砕も比較的しやすいことから、近年出荷量が増えています。鉱量も豊富で、今後もどんどん採掘していく予定です。

 

耐火物にはさまざま原料が使われています。その多くが海外産ですが、意外と国内鉱山からも供給されています。日本には、弊社のような小さな鉱山が細々ながら、今でもしっかりと耐火物の原料を採掘していて、それらが備前の地に届いて、さまざまな耐火物になっています。

 

耐火物の最も主要な供給先は製鉄所です。製鉄の工程では実にさまざまな耐火物が利用されています。もちろん、製鉄だけでなく、熱を使ってものを作る、ありとあらゆる場面において、耐火物は重要な役割を果たしています。熱を使うのは金属だけでなく、プラスチックでも紙でも、製造や加工で熱を使いますよね。

 

もっといえば最終的にゴミとなって燃やす際にも、焼却炉の中で耐火物が使われています。あらゆる場面で耐火物の存在が見え隠れしているのです。

 

実際に備前で作られている耐火物の展示です。これらを見る限り、どこの何につかうものだかまるでわかりませんが、工場施設や自動車の内部、その他、どこかの見えない場所で使われているわけです。すごいですよね。

 

展示コーナーでは、備前の地がどうして耐火物のメッカとなったのか、その130年の歴史を知ることができるパネルも展示してあります。明治初期の石筆づくりから始まった耐火煉瓦の歴史を知ることができます。

 

展示コーナーでは「備前のまちと耐火れんが」という小冊子が無料で配布されています。これはぜひとも手にとってご覧いただきたい1冊です。

 

山陽新聞(東備版)の連載記事をそのまま製本したものですが、2022年1月から半年にわたって、備前と耐火煉瓦の歴史(第1部 変遷)や生き残り戦略(第2部 サバイバル)、新たな挑戦(第3部 新領域)について、詳細な取材をもとに執筆されたもので、素人でも読みやすい文章でありながら、備前の耐火物業界が詳しくわかるようになっています。山陽新聞の新居田崇記者による力作で、連載当時から私は大注目していました。

 

6月末で連載は終わってしまったのですが、私としては「備前市がこの記事を買い取って冊子を作るべきだ、やらないなら俺がやる!」とまで思っていたところ、岡山セラミックスセンターさんが、ちゃんと許諾をとって冊子を作ってくれました。大変感謝です。

 

これから備前市で働きたいと思う人がいるなら、ぜひともこの冊子を読んでいただきたいです。私たちが携わる耐火物という産業はとても地味な存在ですが、確実に社会の中で必要なものであり、そうした社会の礎になるような仕事に黙々と取り組んでいるのが、備前市で働く人たちの姿です。

 

そんなわけで、備前市にお立ち寄りの際、耐火物のことを手軽に知ることができる施設として、岡山セラミックスセンターをぜひともご利用ください。

まるで昔からあるようなバス停ですが、10月1日に新設されたものです。

 

備前市役所からのご提案で、会社の前にバス停が設置されました。

10月1日より、日中だいたい1時間に1本程度の割合で備前市営バスが止まることになります。お客さんがいなければ通過しますけどね。

 

事務所裏に設置されたバス停。こちらは国道2号線の上り線です。

備前市片上の中心部である片鉄片上(昔の片上鉄道片上駅)から三石に向かう路線になります。

 

ちょうどここだけくぼんでいて、バス停にぴったりの場所でした。

 

弊社(土橋鉱山前)から三石に向かう時刻表。JR三石駅にも止まります。平日のみ。

 

国道2号を挟んで向かいにある野沢タイヤさんに設置されたバス停。こちらは岡山方面に向かう下り線です。

 

弊社(土橋鉱山前)から片鉄片上に向かう時刻表です。JR備前片上駅にも止まります。やっぱり平日のみです。

 

便数は少ないものの、弊社まで公共交通機関だけでアクセスできることになりました。

もっぱら自家用車で動き回るのが田舎の常識ですが、せっかくなので市営バスもそのうち使ってみたいと思います。

 

備前市営バスの路線図と時刻表は、備前市のホームページに掲載されています。

最近何かと話題になっているキーワードに「SDGs」があります。弊社においても、こうした社会の動きに歩調を合わせていく必要があると考え、この度、地元の中国銀行様にサポートしていただき、弊社の「SDGs宣言」を策定いたしました。

PDFでもご覧いただけます。

 

そもそものきっかけは、CSR(Corporate Social Responsibility)について、会社として本腰を入れて取り組んでいく必要があるな、と冬の間に考えていたところ、中国銀行様からSDGs宣言といった形で表してみてはどうか、というご提案があって、お力をお借りした感じです。

中国銀行様のHPでもプレスリリースが出ています。

 

中国銀行様に会社での取り組みについて、いろいろと話し合いができたことで、弊社でできるSDGs、逆に弊社では今すぐには無理なSDGs、といったものが見えてくるようになりました。こうしたディスカッションを経て、弊社のCSRに対する取り組みについても、うまくまとめられそうです。

 

近日中に、弊社の仕入れ先としてお取引のあるサプライヤー様向けにCSR購買に関するガイドラインも公開予定です。

 

<2022年9月3日追記>
CSR購買ガイドラインを策定いたしましたので公開いたします。

土橋鉱山CSR購買 ガイドライン第1版(PDF)

近年、弊社の地下坑道から採掘される陶石や蝋石を使って、新たな備前焼づくりに取り組む作家さんが増えつつあります。

 


森さんの展示を紹介するパンフレットと弊社にご提供いただいた作品群。

 

森一朗さんもそんな中のお一人で、弊社の陶石を精製したセリサイト粉末をご提供いたしました。今回の展示でも何点かセリサイトを使った作品がありましたので、許可をいただき、天満屋の個展で撮影させていただきました。

 


こちらの細工物はすべてセリサイトでできています。かなり細かいですね。

 


こちらは鋳込みで作られています。セリサイトだけでこんなふうにできるのはちょっと驚きです。

 

備前の土とセリサイトの両方を使った作品。独特の雰囲気が出ますね。

 

展示会の全景。備前の土のみで作った伝統的なタイプもあります。


個展はすでに終わっていますが、今後も土橋陶石を使った作品が登場すると思うので期待大です!

 

備前焼は「日本六古窯」に数えられるほど知名度の高いものですが、その伝統に甘んじることなく、次々と新しいものを作っていかなければならない、そんな気概を感じます。

 

私自身、陶磁器の原料となる鉱石を日々掘っていながら、備前焼との接点がまるでなかったのが不思議なくらいだったので、今こうして新進気鋭の備前焼作家さんとお付き合いができることは大変うれしいです。

 

岡山県の備前市は、正直そんなにパッとしたところはありませんが、文化面では備前焼の伝統があり、産業面では日本有数の耐火れんが・耐火物の産地でもあります。人間と「火」に関わる仕事を古代から続けてきた町であり、そういったユニークなところを日本や世界にアピールしていきたいと思っています。

立派な盾をいただきました!

 

7月4日に開催された、TOTO様のサプライヤー向け方針説明会にて、品質・原材料部門において優秀賞をいただきました! 初めての受賞です。誠にありがとうございます。

 

賞状もいただきました。会社で賞状をいただくのは20年ぶりくらい。

 

TOTO様には、おそらく半世紀近く弊社で採掘される陶石を納めております。皆さんが普段使っている腰掛け便器、あれって陶器ですよね。まさにあの陶器に弊社の陶石が使われているんですよ。

 

弊社にとっては最大のお取引先であり、大変長いお付き合いとなっていますが、この度、品質についてご評価いただきました。5年ほど前、品質面でやや問題があったところがありましたら、その問題がTOTO様との連携で解消されて、この数年はとても安定した原料をご提供できる状態となりました。

 

天然資源ということで、不安定な部分があるのは事実ですが、品質が安定したことから、採掘や生産がかなり効率的になり、安心して出荷できる体制が整いつつあります。

 

あとは、産出量がうまくコントロールできれば、品質と合わせて供給面でも安定性が高まります。これが今の課題ですね。地下鉱脈の正確な付帯状況がわかればいいのですが、これはかなり難しい課題です。10年かけてデータを集めていますが、まだ10年くらいかかりそうです。

 

ともあれ、優秀賞をいただくのは大変名誉なことです。
これからも品質の安定性を維持しつつ、次の課題に挑戦してまいります。

今年はうまくいってます!初めてですよ!

 

今年もツバメがやってくる季節になり、4月下旬から弊社の事務所にもツバメのカップルが巣作りにやってきました。例年うまくいかず、がっくりすることが多いので、しばらく様子を見ていたのですが、なんと今週になってヒナがいることが確認できました! やったあ!って感じです。

 

鉱山事務所の屋根の下に作ってます。わかりますか?
弊社の鉱石で巣を作っているため、乾燥するとぱっかり割れてしまうことから、これまでうまくいきせんでした。そこで昨年2月、ツバメの到来を見越して木材で補強しました。不器用なんで見た目はイマイチです。

 

これまでの経緯は過去のブログでご覧ください。

 

ツバメが今年も巣を作っています(2020年5月17日)

春に向けてツバメの巣を補強(2021年2月14日)

ツバメの巣、その後(2021年5月29日)

 

今週の火曜に、ふと巣を見上げてみたら、ちんちくりんの頭が見えていて、ヒナがいることを発見しました。
そこで昨日、望遠レンズをつけて遠くから撮影しました。

こっちを向いたヒナが2羽います。頭の毛が面白いです。
まだ小さいためか、ほとんど鳴きません。そのため生まれたことに気づきませんでした。

親鳥は頻繁に餌を運んできます。夫婦2羽で大忙しです。
親鳥が戻った時だけヒナが顔が出します。親鳥が離れると、再び巣の中にこもって大人しくしています。

親鳥が餌をやっているところです。よく見ると4羽いることが確認できます。
まだ目が見えないようで、親が戻ってきても、どっちにいるのかわからないようです。

餌をやっている姿です。ヒナ鳥はなんだか恐竜みたいに見えます。やっぱり恐竜の子孫なんですねぇ。

親の帰りを大人しく待つヒナたち。

ヒナが生まれたのはうれしくてたまらないのですが、みんなちゃんと育ってくれるか心配になってきました。この辺りはカラスもいると蛇もいるし、なんだか不安です。そんなわけで毎日ハラハラしながらも、ヒナの様子を楽しく眺めております。

 

コロナだの戦争だの世の中がなかなか落ち着かず、今後どうなるか不安な日々を過ごしていますが、それでも事務所にツバメの巣ができてヒナが育っているので、今年はいい年になると期待しております。

地元の山陽放送ニュースにて、4月5日に備前焼作家の石田和也さんが紹介されました。「伝統と革新 備前磁器」とのことで、弊社の陶石を使って作品作りに取り組んでいる石田さんと一緒に、弊社鉱山も紹介してもらってます。現在、オンエアの様子はYoutubeでご覧いただけます

 

スクリーンショットで、放送の様子をちょっとご紹介しましょう。

 

備前焼の陶芸家、石田和也さん。

 

備前焼なのに白い作品があるのがユニークですよね。弊社陶石を使った作品です。

 

出ました!弊社です。

 

弊社の鉱床の成り立ちについてもご紹介いただいてます。

 

別に出たがりというわけではないですが、まあ出ることになりますよね。社長だし。

 

石田さんが構内で粘土のようになった陶石をシャベルで掬っている様子。

大型重機が行き来した後の坑道には、陶石が砕かれて、もりもりと粘土のような感じで溜まっています。これをたくさん集めて作品を作ってらっしゃいます。

 

岡山市のデパート、天満屋で開催された個展の様子です。この作品はさっそく他県の方が買い付けされたそうです。

 

石田さんは現在も弊社原料を使って、精力的に作品づくりに励んでらっしゃいます。今後の活躍が大変楽しみです!

 

陶芸家の皆さん、よかったら弊社の陶石で作品づくりに挑戦してみませんか?

お気軽にお問い合わせください。

以前にもご紹介した新進気鋭の若手備前焼作家、石田和也さんが、岡山市の天満屋岡山本店にて、個人展を開きました。先日のお休みに展示を見に行ってきました。
上の映像はパンフレットからの転載です。弊社の地下坑道が背景になってます!

ご覧の通り、石田さんの作品は、一般的な赤茶色の備前焼とは違って、白い石や粘土を多用した独特の作風となっています。もちろん、これらは弊社・土橋鉱山で産出される陶石や蝋石です。石田さんがご自身で坑内に入り、採掘現場でシャベルで集めた原料なんです。

石田さんはこうした作品群を「備前磁器」と呼んでいます。これまでの備前焼にはない、全く新しい作陶の世界を展開されています。

この丸いオブジェは、所々に真っ白な石ツブを混じっていますが、これはおそらく珪石ですね。うちの珪石は焼成すると真っ白になるので、それが影響していると思います。オブジェ全体の雰囲気から、まさに弊社の鉱山を象徴している感じがします。
ちなみに、こちらのオブジェは広島の病院の方がすでに購入されていて、病院の中に飾られるそうです。

私が訪問した時は、すでに展示が始まってから数日経っていたので、多くの作品に買い手がついている状態でした。大変な人気ぶりが伺えます。備前焼に新風を送り込む石田さんの活動を今後も応援してまいります!


石田さんと記念撮影です。

2022年2月11日付・山陽新聞

 

弊社の鉱石や粘土を使って作品作りに挑んでいる、地元の若手備前焼作家・石田和也さんが山陽新聞に紹介されました。弊社のことも載ってますよ。石田さんは、弊社の坑内で直接自分の手で集めた粘土を使って独自の作陶を行なっています。そうしたユニークな取り組みが紹介されている記事です。

 

来月には、岡山市内の大型百貨店、天満屋にて個展も開催されます。
今まで誰も見たことがない新たな備前焼「備前磁器」が多数展示されることになるでしょう。楽しみです!

 

この新聞取材でお越しの際、作品を頂いちゃいました!ご覧ください。

 

従来の備前焼とは全く違っていて、それでいて、なんとなく弊社・土橋鉱山を象徴するような素敵な器になっています。このゴツゴツした感じでふんわりと柔らかい白が、うちのヤマっぽく感じるんですよ、あくまで私自身の印象ですが。

この作品に花を生けて応接に飾りますので、弊社のお越しになったお客様には是非ともじっくりご覧いただきたいと思います。

 

それと、取材の際に石田さんの助手の若い方が撮影された、坑内で粘土を採取する石田さんの写真をいただきました。

 

1月の真冬ですが、坑内は気温が17度くらいあって、少し体を動かすと汗だくになってしまいます。こうした集めた粘土でまた新たな作品をどんどん作っていくそうです。

 

ともあれ、3月に開催される天満屋での個展が楽しみです。

その様子もまたこちらのブログでご紹介いたします。