製品案内

土橋鉱山で採掘している

3種類の白い鉱石

陶石・蝋石・珪石

弊社で採掘される鉱石は、次の3つです。

陶石

とうせき

セリサイト系

蝋石

ろうせき

パイロフィライト

珪石

けいせき

シリカ

いずれも、一見は普通の石で、あまり見分けがつきません。しかし、表面を触った時の感じ(スベスベした感じやゴワゴワした感じ)や、石の割れ方、色味などで、この3つの石には大きな違いがあります。

①陶石(セリサイト系)

(1)外見と特徴

陶石の原鉱(特級クラス)|拡大するには画像をクリック 

セリサイトは

雲母の一種

品位の高いものは大変脆く、雲母のように板状に割れてゆく性質があります。基本は灰白色ですが、採掘箇所によっては緑、ピンク、黒などの色味を帯びることがあります。いずれも粉砕すると白い粉となります。粉末を触るとスベスベした触感があります。「絹雲母」や「マスコバイト」といった名称で呼ばれる場合もあります。

(2)用途・出荷形態

焼いた際の透き通る

白色が特徴

陶石は、食器や陶磁器などの原料として出荷されます。弊社鉱山で最も生産量が多く、弊社を代表するものです。耐火性の面だけでなく、陶器・陶磁器として焼いた際の透き通った白色に特徴があることから、製品の品質を決める重要な原料の1つとして位置づけられています。

先ほどの陶石の原鉱の写真は、陶石の中でも品位の高い特級向けの原料です。陶石は微粉砕されて、陶磁器・ボーンチャイナ、衛生陶器(便器・洗面台など)などの原料として利用されます。

鳴海製陶様の高級食器「ボーンチャイナ」  

TOTO様の衛生陶器 

ちなみに陶磁器原料は、「水簸(すいひ)」という比重の違いを利用した湿式の分級法によって生産されますが、弊社の陶石も水簸によって陶磁器原料となります。なお弊社は水簸や微粉砕ができる設備を持っていないので、水簸した陶磁器原料をご用意する際は、近隣の粉砕会社に生産を依頼します。

陶磁器以外の

用途もある

陶石は、その他の用途として、砥粒(金属表面などを研磨する砥石の粉)や化粧品などにも利用されています。

弊社鉱山から出荷される際は、-10mmサイズに粗砕した-10mmアンダー品となります。大型ダンプにバラの状態で、もしくはフレコン詰めで出荷いたします。


(陶石特級)洋食器(ボーンチャイナ)、陶磁器などの原料
(陶石1級)衛生陶器、洋食器、陶磁器、碍子などの原料
(陶石2級・3級)陶磁器、碍子などの原料

(3)X線回析(XRD)・成分分析値

陶石特級のX線回折|拡大するには画像をクリック  

弊社・陶石特級のX線回折(XRD)結果の一例を示します。(※弊社では、自社の試験室にあるリガク製ミニフレックスによって、2シータ値の30度までを確認し、品位チェックを行っています。)

陶石(セリサイト)分析値例

分析値例(%)
等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
特 級 69.20 21.70 0.12 0.09 0.18 0.05 4.93 0.15 3.24
N 特級 71.30 20.60 0.11 0.11 0.16 0.04 4.30 0.14 3.08
K1 級 77.80 15.90 0.13 0.14 0.24 0.03 2.12 0.21 3.14
1  級 77.07 15.94 0.18 0.08 0.11 0.05 3.79 0.10 2.68
2  級 80.30 13.70 0.07 0.09 0.10 0.03 3.02 0.13 2.20
3  級 83.40 11.30 0.12 0.13 0.07 0.07 2.76 0.04 1.78

分析値にみる

土橋陶石の特徴

成分分析で特徴的な点はFe2O3の少なさで、陶石の色の白さの決め手となっています。特に陶磁器原料向けには、Fe2O3が0.2%以下の陶石を出荷しています。

(4)参考:天草陶石と土橋陶石の比較

天草陶石のX線回折|拡大するには画像をクリック  

X線回析による

天草陶石との比較

参考として、天草陶石と弊社・土橋陶石の違いをX線回折の点から見てみましょう。ご覧のとおり、天草陶石には土橋陶石と違って、カオリン(カオリナイト)の部分にピークがあります。この点が大きな違いです。


また、成分分析値における大きな違いとしては、天草陶石はFe2O3が土橋陶石よりやや多い傾向が見られます。その反面、TiO2について、天草陶石は土橋陶石の10分の1程度と大変少ないという特徴があります。土橋陶石のTiO2の含有量は、地球上の一般的な土壌の数値と同じ程度です。


つまり「鉄が多くてチタンが少ない天草陶石」「鉄が少なくチタンを含む土橋陶石」という言い方ができるかと思います。この2つの違いは、陶磁器を作る上で大きな違いとなります。


陶磁器原料として大変知名度の高い天草陶石と比べると、弊社の土橋陶石はあまり知られた存在とはいえません。とはいえ、豊富な鉱量と品位の高さを維持することで、今後も陶磁器業界を陰で支える存在として貢献して参りたいと思います。

②蝋石(パイロフィライト系)

(1)外見と特徴

蝋石の原鉱(特級・1級クラス)|拡大するには画像をクリック 

陶石と違う

独特の「ろう感」

ろうそくのような白く半透明な見た目と、触った時のヌルっとした触感(いわゆる「ろう感」)があります。大変脆く、石の節理に沿って大きく割れる傾向があります。近くで見るとやや灰がかった白っぽい石ですが、遠目で見ると全般的に青く見える場合があります。


原鉱を見た感じでは、陶石とほとんど違いがわかりませんが、触り心地や色合い、割れ方などが違うため、見慣れてくるとその違いがわかってきます。見た目や触り心地が違うだけなく、用途や性質にも大きな違いがあります。

(2)用途・出荷形態

石筆から

耐火煉瓦へ

三石の蝋石は、明治時代に学用品の石筆として採掘が始まりました。しかし、蝋石の大量生産が始まったのは、耐火煉瓦の原料として使われるようになったためです。蝋石の耐火度の高さを活かした耐火煉瓦造りは、現在も備前市の主力産業となっており、製鉄所や精錬所の溶鉱炉や各種炉材、また焼却炉や耐熱部品として出荷されています。

溶鉱炉や取鍋に使われる耐火煉瓦   

溶鉱炉と取鍋・耐火煉瓦の使われ方  

耐火煉瓦の出荷時の荷姿   

ただし、現在備前市で使われている蝋石の大半は海外から輸入された原料で、弊社のような国産蝋石の利用は大変少なくなっております。原因は国内鉱山の資源枯渇と価格競争の激化、蝋石煉瓦の需要低下などが挙げられます。弊社は、数少なくなった耐火向けの国産蝋石サプライヤーとして、現在も供給を続けております。

蝋石の主な用途は

蝋石クレー

もう1つの主要な用途として「蝋石クレー」があります。弊社蝋石の多くが、蝋石クレーの原料として出荷されています。蝋石クレーは、塗料に添加される塗工剤や紙類の表面をコーティングするコーティング剤、ゴム製品に添加する難燃剤などといった用途で利用されます。

蝋石クレーの入った紙袋   

(写真提供:カナヤ興産有限会社)   

蝋石は、その他の用途として、金属製品を鋳造するための坩堝や陶磁器の釉薬としても利用されています。

弊社鉱山から出荷される際は、-10mmサイズに粗砕した-10mmアンダー品となります。大型ダンプにバラの状態で、もしくはフレコン詰めで出荷いたします。


(蝋石1級)耐火煉瓦、坩堝、釉薬、耐火物パウダー等
(蝋石2級・3級)蝋石クレー

(3)X線回析(XRD)・成分分析値

蝋石1級のX線回折|拡大するには画像をクリック 

弊社・蝋石特級のX線回折(XRD)結果の一例を示します。(※弊社では、自社の試験室にあるリガク製ミニフレックスによって、2シータ値の30度までを確認し、品位チェックを行っています。)

蝋石(パイロフィライト)分析値例

分析値例(%)
等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
1  級 73.95 21.12 0.10 0.13 0.07 0.01 0.55 0.13 3.94
2  級 77.29 18.23 0.09 0.12 0.01 0.01 0.77 0.10 3.30
3  級 82.89 14.27 0.09 0.10 0.11 0.01 0.78 0.20 2.71

1級クラスで、Al2O3が20~24%程度あります。原鉱の状態では、Al2O3が27%近いものも採取できる場合があります。2~3級クラスで16~18%程度。蝋石クレーに必要とされる白さの面では、ハンター白色度で1級クラス以上で80~84程度、2~3級で78~80程度となっています。

(4)参考:蝋石クレーの製造工程

備前市吉永地区が

一大生産拠点

弊社蝋石の主な出荷先は、蝋石クレー工場です。弊社鉱山のある備前市三石の隣、備前市吉永地区も、かつては蝋石鉱山の町であり、また蝋石クレーの一大生産拠点でした。往時の勢いはなくなったものの、現在も数社の蝋石クレー工場が点在しています。


蝋石クレーは水簸(すいひ)で作られます。こちらの写真は、今も伝統的な天日乾燥で蝋石クレーを作る工場施設です。

水簸のプール

微粉砕した蝋石の溶液を流して、余分な珪石分を捕集する

フィルタープレス

蝋石の溶液をフィルタープレスにかけて水分を絞る

天日乾燥の棚

プレスケーキを乾燥棚で天日乾燥する

天日乾燥中のクレー

乾燥棚の内部、乾燥したらフレコンや紙袋に詰める

蝋石クレーの用途

蝋石クレーの用途は多種多様ですが、もっとも身近なところでは、紙幣(日本銀行券)の表面のコーティング剤として使われています。かつては、グラビア雑誌などの出版物に使われる塗工紙のコーティング剤として大量に利用されました。紙メディアが大きな産業として発展を始めた日露戦争以後から、戦後の高度経済成長期までが、最も興隆を極めたといわれています。

蝋石クレーは紙の塗工面に使用される。
紙幣の表面にも使われている。

紙にコーティングを施す理由としては、印刷の乗りをよくするためです。作ったばかりの紙の表面はゴワゴワしているので、表面を滑らかにして、インクの乗りをよくするために使われます。現在、塗工紙向けの蝋石クレーの出荷はかなり減っていて、蝋石クレーの代わりに炭酸カルシウムで作ったコーティング剤が多く使われています。


クレーはこのほか、ペンキやインクなどの塗料にも配合されます。塗料の添加剤として使われる理由は、蝋石クレーが持っている独特の粘性です。ペンキを刷毛を使って塗る際に、刷毛に漬けたペンキは塗装面にスゥーと伸びて塗りやすくなくてはいけません。また、一度塗ったペンキはそのまま垂れてこないような特性が求められます。


「よく伸びる」「しかし垂れない」という2つの相反する性質を兼ね備えているのが蝋石クレーです。また塗料に使うものですから、色の白さが何よりも求められます。

③珪石(シリカ)

(1)外見と特徴

珪石の原鉱(1級)|拡大するには画像をクリック 

ポーラス状の構造

と粉砕しやすさが

特徴

珪石そのものは大変硬いですが、トンカチなどで打撃を与えると容易に粉砕できる脆さを兼ね備えています。色は白、紫、黒など、切羽によって様々な色味を持っています。石の表面には、気泡のような穴が見られる場合があります。また顕微鏡で拡大すると、マイクロメートル単位でも大量の穴が空いている様子(ポーラス状)を観察できます。

(2)用途・出荷形態

農薬キャリアや

耐火物パウダーへ

珪石の主な用途は農薬キャリアです。農薬キャリアとは、農薬をコーティングする芯材のことで、微粉砕した珪石の粉に薬剤をコーティングしたものが、市販の農薬として販売されています。珪石自体には何も効能はありませんが、逆にいえば、農薬の効能以外、農地に影響を与えることなく散布できることが珪石を芯材に使う利点です。


弊社の珪石は、粉砕しやすい、色が白い、など農薬キャリアに適している特性を持っています。弊社鉱山のある備前市三石地区は、日本最大の蝋石鉱床として知られていますが、蝋石鉱床に付随している広大な珪石鉱床の存在はこれまでほとんど知られていませんでした。三石地区で、比較的まとまった鉱量の珪石を産出できるのは、今では弊社のみとなっています。


珪石は、その他の用途として、連続鋳造用パウダー、建材ボードや電子基板の添加剤などにも利用されています。


(珪石1級)耐火物パウダー、農薬キャリア
(珪石2級)農薬キャリア、建材ボード

(3)X線回析(XRD)・成分分析値

珪石1級のX線回折|拡大するには画像をクリック 

弊社・珪石1級のX線回折(XRD)結果の一例を示します。(※弊社では、自社の試験室にあるリガク製ミニフレックスによって、2シータ値の30度までを確認し、品位チェックを行っています。)

珪石(シリカ)分析例

分析値例(%)
等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
1 級 98.66 0.37 0.09 0.08 0.05 Tr 0.07 0.03 0.24

④製品分析データ

陶石(セリサイト系)

分析値例(%)
等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
特 級 69.20 21.70 0.12 0.09 0.18 0.05 4.93 0.15 3.24
出荷時の粒サイズ

特徴・主な用途

10mm以下

洋食器、高級食器、陶板等装飾向け陶器などの原料として使用されます。他の陶石に比べてK2Oが高いのが特長です。

等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
N特級 71.30 20.60 0.11 0.11 0.16 0.04 4.30 0.14 3.08
出荷時の粒サイズ 特徴・主な用途

10mm以下

洋食器、高級食器などの原料として使用されます。
特級との違いは、K2Oの含有量がやや低いところです。
等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
K 1 級 77.80 15.90 0.13 0.14 0.24 0.03 2.12 0.21 3.14
出荷時の粒サイズ 特徴・主な用途
10mm以下 陶磁器、碍子などの原料として使用されます。
1級との違いは、モンモリロライト等の粘土鉱物を含む点です。
等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
1  級 77.07 15.94 0.18 0.08 0.11 0.05 3.79 0.10 2.68
出荷時の粒サイズ 特徴・主な用途
10mm以下 衛生陶器、洋食器、陶磁器、碍子などの原料として使用されます。
弊社の主力製品で最も生産量が多いグレードです。
等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
2  級 80.30 13.70 0.07 0.09 0.10 0.03 3.02 0.13 2.20
出荷時の粒サイズ 特徴・主な用途
10mm以下 陶磁器、碍子などの原料として使用されます。
等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
3  級 83.40 11.30 0.12 0.13 0.07 0.07 2.76 0.04 1.78
出荷時の粒サイズ 特徴・主な用途
10mm以下 陶磁器、碍子、タイルなどの原料として使用されます。

蝋石(パイロフィライト)

分析値例(%)
等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
1  級 73.95 21.12 0.10 0.13 0.07 0.01 0.55 0.13 3.94
出荷時の粒サイズ 特徴・主な用途
10mm以下 耐火煉瓦の原料に適した蝋石(SK29~30)。製鋼所、精錬所等の取鍋の原料となります。また坩堝原料、耐火物等に使用されます。身近なところでは、鍋料理に使う土鍋などにも添加されています。
等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
2  級 77.29 18.23 0.09 0.12 0.01 0.01 0.77 0.10 3.30
3  級 82.89 14.27 0.09 0.10 0.11 0.01 0.78 0.20 2.71
2  級
3  級
出荷時の粒サイズ 特徴・主な用途
コブシ大 塗料や顔料、製紙の塗工剤、充填材、農薬フィラーなど、さまざまな用途に使われる「クレー」の原料に適した蝋石。主に地元クレー工場へ出荷しています。原鉱の状態で、ハンター白色度で80前後の白さがあります。

珪石(シリカ)

分析値例(%)
等 級 SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 CaO MgO K2O Na2O lgloss
1  級 98.66 0.37 0.09 0.08 0.05 Tr 0.07 0.03 0.24
出荷時の粒サイズ 特徴・主な用途

コブシ大以下

10mm以下

SiO 98%以上、Igloss 0.5%以下の珪石。色が白く、ポーラス状になっているため、一般的な珪石に比べて粉砕しやすい特徴があります。
農薬キャリア、建材ボード、耐火物用パウダーなどで使用されます。

※弊社の製品は、すべて自社鉱山で採掘されたものです。
※上記製品以外にも、ユーザー様のニーズに合わせた、さまざまな品位・粒サイズでの出荷を行っております。
※2016年6月17日作成。