参考として、天草陶石と弊社・土橋陶石の違いをX線回折の点から見てみましょう。ご覧のとおり、天草陶石には土橋陶石と違って、カオリン(カオリナイト)の部分にピークがあります。この点が大きな違いです。
また、成分分析値における大きな違いとしては、天草陶石はFe2O3が土橋陶石よりやや多い傾向が見られます。その反面、TiO2について、天草陶石は土橋陶石の10分の1程度と大変少ないという特徴があります。土橋陶石のTiO2の含有量は、地球上の一般的な土壌の数値と同じ程度です。
つまり「鉄が多くてチタンが少ない天草陶石」「鉄が少なくチタンを含む土橋陶石」という言い方ができるかと思います。この2つの違いは、陶磁器を作る上で大きな違いとなります。
陶磁器原料として大変知名度の高い天草陶石と比べると、弊社の土橋陶石はあまり知られた存在とはいえません。とはいえ、豊富な鉱量と品位の高さを維持することで、今後も陶磁器業界を陰で支える存在として貢献して参りたいと思います。