鉱山ブログ

地元のジオ見学ツアーで鉱山をご案内しました
2018年7月6日 | カテゴリー: 鉱山記事

弊社鉱山のシンボル、立坑を見学するツアー参加者のみなさん。

※写真は、NPO法人地球年代学ネットワーク様よりご提供いただきました。
 以下、今回の写真はすべていただいたものです。

 

6月16日に、地元のNPO団体が主催するジオ見学ツアーで、50名もの方が弊社鉱山にお越しになりました。さすがにこの人数を坑内にご案内はできないので、今回は坑口と坑外の施設、それに地質の観察ができる場所などをご案内しました。

 

今回主催したのは「NPO法人地球年代学ネットワーク」様。岡山県の備前県民局との共催で、公募で集まった一般の方を対象としたジオの魅力を学ぶ体験ツアーの一環で、弊社鉱山の見学にいらっしゃいました。

 

まずは、パネルを使って弊社の概要を説明しました。


ジオパークは、ユネスコ認定のジオパークや日本独自のジオパークなど、日本各地に点在しており、岡山県に近いところでは、鳥取・兵庫にまたがる「山陰海岸ジオパーク」が有名です。関連する自治体ではジオパークを巡る見学ツアーなどが行われて、ジオに対する関心が高まっています。

私たちの鉱山がある備前市やお隣の和気町など、この辺り一帯は、かつて巨大なカルデラだったという仮説があるそうです。正確には「コールドロン」と呼ぶそうですが、今のJR和気駅を中心とする巨大な火山があって、やがて風化して「和気コールドロン」が形成されたそうで、私たちが掘っている地下鉱床はこの「和気コールドロン」の外縁部に属するそうです。

 


ツアーの参加者に配布された資料より。
この地区は「和気コールドロン」という巨大な火山の跡にあるという説です。
備前や和気の人はおそらくほとんど知らないと思います。僕も今回初めて知りました。

ちなみに、県境をまたいだお隣の兵庫県赤穂市も「赤穂コールドロン」という大きな火山の跡とのことで、今から7000万〜8000万年前の白亜紀末期、この辺りは火山だらけだったみたいです。

 


見学ツアーは土曜にお越しでしたが、弊社は通常営業だったので、参加者の後ろで大型ダンプに原料を積み込みしています。ちょっと面白い光景です。



今回は50名もの方がお越しになったので、さすがに坑内見学にはお連れできないので、坑口付近を出入りしてもらい、坑道から吹き出す風を体感していただきました。坑内は年中17℃で、坑口から吹き出す風は涼しく感じられます。


でも、この風は人工的に起こしたもので、坑内には巨大な換気扇を使って、地上から空気を送り込み、空気の入れ替えを絶えず行っていることなどを説明しました。



立坑下の巻室周辺に残る、古い鉱車いわゆるトロッコなどもご覧いただきました。この地区に残る貴重な鉱山遺産になると思い保管しています。



三石地区のろう石鉱床は、ヤマから湧き出す水が酸性でそのまま河川に流すことはできません。したがって、中和処理する施設が必要です。参加者の方には、こうした地味な取組みに関してもご説明しましたのが、皆さん大変熱心に聞いていただき、いろいろとご質問もいただきました。

今回、見学ツアーをお受けするに当たり、50名もの人々がお越しになるとのことで、どうなることか心配でした。また、弊社のような地味で一見わかりづらい仕事をやっているところに、果たして関心をもっていただけるのか、その当たりも気になっていました。

しかし、実際にお越しいただいた皆さんは、大変関心を持って見学いただき、また短い間でしたが、みなさんとお話しができたのはとても刺激になりました。次回は、私だけでなく、従業員などにも直接話ができるような機会が設けられればと思っています。

この度のジオ見学会に参加された皆さん、弊社にお越しいただきまして誠にありがとうございました。また見学会を主催されたNPO法人地球年代学ネットワーク様、また是非ともツアーに組み込んでいただければ幸いです。今後ともよろしくお願い申し上げます。