コロナの影響で、8月までの出荷はめっきり減ってしまいましたが、9月はだいぶ持ち直しました。


現在は10月以降の出荷に向けて出荷の準備を進めています。写真は、近いうちにインドネシアに出荷する陶石の様子です。1,050kgずつデジタルはかりで計ってフレコンバックに詰めていきます。船に積むので重量を正確に計る必要があります。

日本で産出される鉱産物が海外に輸出されていると聞くと、驚く方もいるかもしれません。実は石灰石などは、日本から海外に出荷される量がかなり多いんですよ。鉄鉱石を持ってきた船に石灰石を積んで持って帰ってもらう、といった貿易が盛んに行われています。しかし石灰石以外の鉱産物となると、ちょっと珍しいかもしれません。

 

弊社のセリサイト系陶石は、海外の陶磁器会社さんでも使っていただいてます。インドネシア以外だと、ベトナムやマレーシアなどにも出荷しています。ただ弊社は貿易業務をやっていませんので、輸出をしているのは弊社とお取引してます日本の商社さんです。主にボーンチャイナと呼ばれる陶磁器の原料としてご利用いただいているようです。

 

セリサイトは海外でも採掘していますが、必ずしも陶磁器に適しているとはいえません。その点、弊社のセリサイトは鉄やチタンの含有量が少なく色が白いため、陶磁器生産に適しています。

 

フレコンバックへの積み込み作業は、ピット裏の屋根がある場所でやります。詰めた後のフレコンバックも、雨に濡れないようにここで保管します。

 

今後は、セリサイト陶石の原鉱の状態だけでなく、粘土にした状態の製品を海外向けに輸出したいと思っています。やはり付加価値をつけて出すほうがよいでしょう。

 

弊社では陶磁器(衛生陶器の除く)向けの出荷が年間1500トン程度あります。このうち、だいたい3分の1が海外向けとなっています。今後は海外の比率がどんどん増えていくと予想しています。対して、国内の陶磁器向けは縮小していくと思っています。なかなか厳しい時代です。


モヤのかかる斜坑道

もともと8月は出荷の少ない時期ですが、今年はコロナの影響もあって、大幅に出荷が減っています。
なかなか厳しい日々ではありますが、暑さも厳しいです。でも、私たちの仕事場である地下坑道は、一年を通して温度がだいたい16〜18度程度。とても過ごしやすい職場ですよ。真っ暗ですけどね。

 


坑内最下部のL5坑道。地下156m。瀬戸内海よりも20〜30m下になります。


こちらの気温は18度。湿度は80%です。快適そのもの。


1つ上の階層となるL4坑道は地下133m。ここがだいたい標高0mです。気温17度。湿度は測定不能です。100%近いと思われます。涼しいけどジメジメ。


L4坑道にある変電施設。気温17度、湿度が80%強。


奥の坑道に行くとモヤが激しくなります。

巨大ファンを使って地上から取り入れた空気はこの時期、湿気が多いためモヤになります。



事務所に戻ってきました。裏にある日陰の温度計は35度。うだるような暑さです。
坑内と地上の温度差が激しすぎて、体から一気に汗が吹き出ます。
いっそ坑内に事務所を設けたいくらいです。

とりとめもない話で恐縮です。

コロナが早くおさまって、また活気が戻ってくることを願うばかりです。

梅酒の仕込み風景です。

 

新型コロナウィルスの影響で、陶石をはじめとする弊社原料の出荷も落ち込む傾向があります。

これが一時的な影響で済むのか、今後もだらだらと続いてしまうのが、なかなか見極めが難しいところです。ヤマを掘るのが専門で、陶石、蝋石、珪石のほかに、これといって商品のラインナップを持たない弊社としては、今後どのように生き残っていくか、常に考えているところです。

 

そんなふうに、常々考えていたところ、スーパーに立ち寄ったら、青梅と氷砂糖が店頭の目立つところに陳列されていました。「そうか、梅酒を漬ける季節じゃないか」と思い、そこで、はたと思いつきました。「地下坑内で梅酒を漬けたら、うまいんじゃないだろうか」と。「これ商売にならないかな」さらに思いました「どうせ漬けるなら、日本酒がいいな」と。これは僕の好みですね。商売からそれました。

 

さっそく、ネットで日本酒で梅酒を作る方法をチェック。梅酒を作るには、アルコール度数が20度以上のお酒でないといけないようです。ふつう日本酒のアルコール度数は14〜17度くらいでしょうか。20度の日本酒なんて飲んだことありません。でも、ちゃんとあるんですね、梅酒用の日本酒。新潟県にある酒造さんからネット通販で取り寄せました。

 

苗場酒造さんの果実酒用日本酒「苗場山」アルコール度数が20%

 

おっと、取り急ぎお伝えしますが、今回はすべて自腹です。

私の趣味ですから。お酒も梅もビンも自前です。

 

本当は岡山県内の日本酒を使いたかったのですが、ネットで見つかりませんでした。

新潟はまさに酒どころですが、岡山の日本酒もとても美味しいですよ。岡山は意外と酒造が多いんです。日本酒用の水として有名な雄町の泉は岡山市の郊外にあります。

 

2本買ったのは、自宅にて常温で作る用と地下坑道で作る用の2本を用意するためです。

さくさく準備を進めます。分量は適当です。1kgの青梅と同じく1kgの氷砂糖を、だいたい等分にそれぞれのビンに入れました。

 

どちらもちょうどいい感じです。左の長いほうを自宅で保管します。右の丸っこいビンを地下坑道に持っていきます。

ちなみに奥の2本は、昨年と一昨年に焼酎で漬けたやつです。いま少しずつ飲んで楽しんでます。

 

翌日、さっそく地下坑道に持ってきました。

なるべく温度変化が少なくて、ホコリが少ないほうがよいので、レール跡が残る旧坑道に置くことにしました。ここなら従業員にも気づかれまい。このブログも読んでないだろうし。

 

 

ここは、時々マニアックなお客さんをご案内する旧坑道で、普段は電気を切って暗くしてあります。

 

公私混同みたいですが、「これってひょっとして新事業にならないかな」と思い、あえてやってみました。法律的にいえば、出来上がった梅酒を売ることはできないので、弊社が売るというよりも、どこかの酒造屋さんとタイアップしたり、一般家庭の方で「地下坑道で梅酒とか何か漬けてみたい」といったご要望にお応えして場所貸し業ができたらいいな、と新事業を夢想しております。

 

ともあれ、実際に地下坑道で漬けた梅酒がうまくなければ意味がありません。

来年の今ごろ、どんな味になったかご報告したいと思います。

 

(追伸)

先月ブログでご紹介したツバメの巣は、残念ながら今年も崩落してしまいました。やはり、蝋石でできた巣は弱いようです。ただ巣の中に卵はなかったので、そこは少しホッとしました。

これで2年連続でツバメが失敗する様を目の当たりにしました。このまま放置するわけにはいかないので、今年のうちに対策を行い、来年春は必ずやここでツバメがうまく子育てできるようにしたいと思います。

今年も南からツバメが巣を作りに来ました。今年は成功するか?

 

この春は、新型コロナウイルスの影響で、明るい話題が乏しい毎日です。

いつもなら、毎週のようにお客様が来たり、私もあちこちに出張して、営業したり、仕事関係の方とお会いしたりと楽しく過ごしているはずだったのですが、今はそうもいきません。

今はただ、坑内で黙々と切羽に向かって採掘作業に取り組んでいます。

 

そんな中、唯一楽しみなのが、弊社の事務所に巣作りをしているツバメです。
今年も南の国からやってきたカップルが、せっせと巣作りに励んでいます。

実は、4月初旬に1回目のカップルが来て、途中まで作ったのですが、数日で落ちてしまい、今は2回目です。
困ったことに、うちにくるツバメは、うちの採掘した鉱石を使って作るため、どうにも長持ちしません。事務所の横に敷地の雨水を貯める池があり、そこの泥を使って作っていますが、どうにも砂っぽいものが多いためか、日照りが続くと、巣がぱかっと割れて落ちてしまうのです。

 

4月中旬にぱかっと割れた巣の残骸を発見し「ああ、今年もダメだったか」と諦めていたのですが、なんと、また戻ってきて巣作りを再開しています。以下、本日の様子です。

 

巣の作りが前回よりもやや強固になった感じがします。下から写真を取っていると、外回りのほうが戻ってきました。

 

あっち行け!と怒ってます。ちょっと見せてくれてもいいじゃないか。

 

近づくと逃げてしまうのでズームです。画像が荒くなってしまう。

 

今年こそはうまく子育てができるといいな、と思って、毎日ハラハラしながら見ています。あまり見ていると嫌がるので、できるだけ関心がないふうを装って、横目でちらちら見る感じです。

 

早く世の中が落ち着いて欲しいところです。

写真は、弊社構内の坑排水処理場にある桜の木です。
弊社の敷地で真っ先に花が咲く桜です。7分咲きといったところです。

新型コロナウイルスの影響で、今月は鉱山見学がキャンセルになったり、こちらからお断りしている状態です。東海地方の陶磁器会社さんや九州の化粧品メーカーさんが来社・見学予定だったのですが、延期になってしまいました。お会いするのを楽しみにしていたのですが残念です。

 


見学者を案内するバンに1ヶ月乗らなかったため、バンのバッテリーが上がってました。不具合を直して、バンに乗って、弊社敷地内の桜並木がある山に登ってきました。
桜の咲き具合は、ご覧の通り、まだ3分咲きといったところです。鮮やかな紫色のツツジは満開です。遠くに見える禿げた山は、大平さんの露天採掘場です。

バンは埃まみれだったので洗車しました。こちらも3分咲きですね。

世間が慌ただしくなっていて、ちょっと花見の気分ではありませんが、感染に気をつけて業務を継続できるように注意したいと思います。

 

 

ネット上で有名なポータルサイト「デイリーポータルZ」に弊社鉱山を紹介していただきました。

こんな感じです。

 

掲載ページはこちらのクリック。

 

地元のイベントで知り合いになったライターの岡本さんを弊社の地下坑道にご案内して、記事を書いていただきました。私もちょくちょく登場します。写真で見ると、だいぶ老けたなあとしみじみします。


今回ご案内したのは、坑外にある立坑櫓や巻室などの鉱山特有の設備、そして地下坑道の様子です。当日は他にも見学希望の方がおられたので、計3名をお連れして、私があれこれ解説をしながらご案内いたしました。

 

今月はその他にも、地元バス会社の観光ツアーで14名の方が坑外施設の見学でお越しになりました。また、長崎県波佐見町の波佐見陶磁器工業共同組合さんからも14名の方が見学に来られました。このように見学の方が増えてきたので、見学者用のちょっとしたパンフレットを作成してお配りました。

 

こんな感じの小さなパンフレットです。

中にこんな感じです。

オモテ

ウラ

 

昨年冬に導入した新しいMacで作りました。そうです、Mac派なんですよ。

 

今のところ、坑内見学や見学ツアーでお越しの方にお配りしています。

鉱山見学については、弊社までお気軽にご相談ください。

 

あらかじめお知らせすると、今後は観光目的の見学については有料とさせていただく予定です。(陶磁器、窯業関連の業者様・ユーザー様、その他弊社のお取引業者様、弊社原料の導入をお考えの方、あと私の知り合いの皆さんはもちろん無料です。つまり、ほとんど無料です!)

もっとも手軽な坑外見学(約1時間)は1名500円+税、坑内見学については要相談とさせてください。ちょっと件数が増えてきて、ある程度制限をしたほうがよい段階になったので、こうした感じでいこうかと思います。


坑内見学については別にアイデアもあるのですが、そちらがうまくまとまったら改めてご案内いたします。

 

※2020年3月24日追記
新型コロナウイルスの感染防止のため、当分の間、鉱山見学は自粛させていただきます。

何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 

昨年末は日程の関係で忘年会ができず、かといって新年会をやるにしても日程の調整が難しいため、思い切って、土曜の出勤日に午後からバーベキューをやることにしました。この時期ですから、食べるのはもちろん岡山県産の牡蠣、そしてお肉です。

 

岡山・虫明産、今が旬の牡蠣。地元では一斗缶に入ったカキ缶を買って楽しみます。

 

今回のイベントは、新年会と7月に入った新人君の歓迎会も兼ねています。

とはいえ、新人君が一番汗かいて肉を焼いていたような気がします。

僕はただただ牡蠣が食べたかったので、みんながテキパキ動く姿を見ているだけでした。

 

ドラム缶をぶったぎった即席のコンロに炭を置いて火を起こし、そこへ豪快に牡蠣を並べていきます。

 

さんざん食べたのですが、半分くらいしか減ってません。まだまだ残っています。今回10人で食べ始めたのですが、全然食べきれません。あんまり食べると当たるかもしれないと、どか食いするのも怖いし、なかなか難しい食材です。

 

牡蠣と肉をひとしきり食べ終えた後は、デザートのイチゴです。

でももう食べきれず、少し残ってしまいました。

 

この冬はあまり寒くなくて、この日も日差しがあって気持ちよく風もなかったので、絶好のバーベキュー日和でした。

お正月初めは、この地区は1月9日が「山の日」という特別な日でお休みだったり、なんだかお正月気分が抜け切らない1週間でしたが、来週からは気持ちを入れ替えて、また仕事に励んでいきたいと思います。

鉱山のシンボルともいえる「立坑ケージ」。弊社で稼働中の立坑ケージは、おそらく日本の鉱山で最後に残った現役の立坑ケージと考えらます。昨年は切れてしまったワイヤーの交換という大修理を行い、再び稼働する状態に復帰しました。
その経緯については、これまで何度か当ブログにて紹介しました。


おそらく日本最後の現役「立坑ケージ」復活なるか?【その1】 2018年3月17日

おそらく日本最後の現役「立坑ケージ」復活なるか?【その2】 2018年3月30日

おそらく日本最後の現役「立坑ケージ」復活なるか?【その3】 2018年4月23日

おそらく日本最後の現役「立坑ケージ」復活なるか?【最終回】復活しました! 2018年12月19日

また復活後には、山陽新聞にもご紹介いただきました。


ただし、ここまではあくまで「稼働できる状態」も戻しただけで、修理作業をやっていただいた業者さんからは、地下と地上を上下するカゴの部分にあたるケージがボロボロで交換した方がよいとアドバイスがありました。

40年以上何もしてなかったので、確かにボロボロです。また、ケージを安定して上下させるために立坑内に設置されたガイドレールもがたつきがあって、どこかの段階で修理をしたほうがよいとのことでした。

とりあえず、今年はケージを交換することにしました。台風や大雨が落ち着く10月の半ばから作業を進めていただきました。以下、作業中の写真です。作業は数日に分けて行なわれました。

じっくり作業を見学したかったのですが、あいにくじっと見ることができず、職人さんたちがテキパキ作業をしているうちに、古いケージが抜き出されて、新品のケージに入れ替わっていました。


立坑から抜き出されたケージ


古いケージから必要な部品を切り出す



次に見に行ったら、もう新しいケージが設置されていた


現在の中身の様子

 

来年はガイドレールの修理を行って、これでとりあえずひと段落といったところです。
鉱山見学でお越しの際は、ぜひとも弊社の立坑櫓をご覧いただきたく存じます。

先月(9月)20〜22日に九州大学で開催された「日本鉱物科学会」にて、長崎県窯業技術センターの武内さんをはじめとする研究グループが、弊社の土橋陶石を精製した「土橋セリサイト」に関して研究発表を行いました。
ポスター発表の内容をこちらに掲載いたします。

 

PDFはこちらからご覧ください。

 

なお、同研究グループでは、昨年も日本粘土学会の研究会にて、土橋セリサイトの研究成果を発表しています。詳細はこちらをご覧ください。

 

日本粘土学会の研究発表で「土橋セリサイト」をご紹介いただきました


土橋セリサイトは可塑性に富んだ陶磁器原料でありながら、標準的なセリサイト原料に比べるとカリウム(K2O)の含有量が少ないことがわかったため、その原因を探る、というのが今回の研究発表です。

残念ながら、今回の研究では、カリウムが少ない原因が特定できませんでしたが、セリサイト以外にも20-100nmサイズの粒状物質が存在することが確認できました。つまり、何らかのナノマテリアルが存在するかもしれない、とのことです。

今後も研究成果が出ましたら、こちらのブログでお知らせしていきます。

10月19日(土)、20日(日)の2日間、弊社の近くにある旧閑谷学校にて、「セラミックアートビゼン in 閑谷」が開催されます。この2日間は、「備前焼まつり」も開かれています。両会場を結ぶシャトルバスも出るそうなので、どちらも楽しむことができる2日間です。

弊社は土曜は営業日なので、20日の日曜に会場を訪問する予定です。「セラミックアートビゼン」のオーガナイザーを務められている石田和也さんは、土橋陶石を精製した「土橋セリサイト」を使った作品も作っていらっしゃるので、ひょっとしたら備前焼とコラボしたユニークな作品が見られるかもしれません。とても楽しみです。

イベントの概要は以下のチラシのとおりです。



備前焼まつりのほうは、備前市が年1度だけ観光客でごった返す大きなイベントです。そのために、駐車場の確保が難しいという問題があります。ですので、まずは閑谷学校の「セラミックアートビゼン」を楽しんでから、シャトルバスに乗って、備前焼まつりのほうも楽しもうと考えています。おそらく閑谷学校のほうが駐車スペースが確保しやすいはず。

弊社の土橋セリサイトは、真っ白な陶磁器を作るのに便利な原料ですので、本来であれば備前焼の坏土とは対極的性質です。備前焼とのコラボがいったいどんなふうになるのかとても気になります。実はこの1年ほど、石田さんだけでなく、他の備前焼作家さんにも土橋セリサイトを取り扱っていただいてまして、みなさん色々と試行錯誤をされているようです。素敵な作品ができたら、ぜひとも弊社の玄関に飾りたいと思います。